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乗用トラクタ
G農機151
クラッチ
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【クラッチ】
クラッチは、エンジンの回転動力を変速機以降へ伝達するときの断続装置で、エンジンの始動・変速レバーの操作・エンジンをとめないで走行をとめる場合などに使われる。
通常、この操作を直接行う部分がクラッチペダルであるが、トラクタでは、動力伝達に走行系とPTO系の2つがあるので、この2つを同時に断続するタイプ、それぞれ別々のクラッチペダルで断続するタイプ、1つのペダルで二段階に踏み込むことのできる二段踏み込みクラッチなどが使われている。
クラッチは、その構造・作動原理によって、摩擦クラッチ、かみ合いクラッチ、流体クラッチ、電磁クラッチなどがあるが、現在最も多く使用されているのは、乾式単板摩擦クラッチである。
摩擦クラッチの作動原理は、円板などを押しつける力によって生じる摩擦力で回転を伝えるものであり、回転中に自由に断続できるという特徴がある。
G農機152
PTO軸
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【PTO軸】
トラクタは、エンジンの動力を車輪の駆動だけでなく、作業機の駆動にも用いなければならず、このため、作業機の動力用として動力の一部を取り出す駆動軸がPTO軸である。
一般的には、トラクタ後端部に装備されているが、中間部や前部から取り出しができるものもある。
PTO軸は、大別すると駆動車輪の回転数と直接関係のない独立形と、駆動車輪の回転数と比例した比例形とがある。
独立形はロータリやモーアの駆動に、比例形はたねまき機などの駆動に用いられる。
G農機153
クラッチペダル
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【クラッチペダル】
クラッチは、エンジンの回転動力を変速機以降へ伝達するときの断続装置で、エンジンの始動・変速レバーの操作・エンジンをとめないで走行をとめる場合などに使われる。
この操作を直接行う部分がクラッチペダルである。
トラクタでは、動力伝達に走行系とPTO系の2つがあるので、この2つを同時に断続するタイプ、それぞれ別々のクラッチペダルで断続するタイプ、1つのペダルで二段階に踏み込むことのできる二段踏み込みクラッチなどが使われている。
G農機154
クラッチ板
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【クラッチ板】
数種類のクラッチのうち、最も多く利用されている摩擦クラッチは、押しつける力によって生じる摩擦力で回転を伝えるしくみで、この押しつける接触面に用いられる円板がクラッチ板である。
クラッチ板は、クラッチペダルにより操作され、摩擦面に強く押しつけられている場合にドライブシャフトにエンジンの回転が伝わり、プレッシャプレートから分離したときには回転が伝わらない。
また、半クラッチにした場合、クラッチ板がスリップしてシャフトはゆっくりと回転するが、多用するとクラッチ板が傷み、摩擦係数が減少してしまう。
クラッチ板は、フライホイールとプレッシャープレートの間にあって、エンジンの動力をメーンドライブシャフトを介してトランスミッションに伝える摩擦板である。
構造的にはディスク外周部にクッションプレートが取り付けられ、これに両面からクラッチフェーシングをリベットで張り付けている。
また、中心部のスプラインボスとプレートは、クラッチ接続時の衝撃を防ぐために、コイルスプリングやゴムを介して組み立てられている。
G農機155
加圧板と
クラッチばね
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【加圧板とクラッチばね】
クラッチは、通常、クラッチ板・加圧板・クラッチスばね・レリーズレバーなどがクラッチカバーに組み付けられた後、フライホイールに取り付けられている。
この中でクラッチばねは、加圧板に取り付けられており、加圧板をクラッチ板に押し当てる力として利用されている。
加圧板は、フライホイールとクラッチ板を押しつけて、クラッチの断続をするための板である。
動力伝達方式により、各種の形式がある。
G農機156
マスタシリンダ
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【マスタシリンダ】
クラッチ本体を作動させる装置をクラッチ操作機構といい、直接操作するクラッチペダルの動きをシフトホークに伝える方式により、機械式と油圧式がある。
このうち、油圧式は、ペダルの動きを油圧に変えてシフトホークを動かす方式で、油圧を発生するマスタシリンダと、その油圧を受けてシフトホークを動かすレリーズシリンダがある。
マスタシリンダに油圧が発生する原理は、クラッチペダルを踏むことにより、マスタシリンダ内ではプッシュロッドを介して、ピストン、ピストンカップが押され、油圧を発生させるものである。
この油圧はオイルパイプを通ってレリーズシリンダに送られる。
レリーズシリンダでは、送られてきた油圧によってピストンが押され、レリーズシリンダ、プッシュロッドがシフトホークを動かす。
G農機157
トルクコンバータ
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【トルクコンバータ】
トルクコンバータは、エンジンの回転力(トルク)を変換する装置で、オートマチックトランスミッション(自動変速機)に用いられ、クラッチと変速機の両方の働きを備えている。
普通のトランスミッションもギヤによってトルクを変換しているが、一般にトルクコンバータは、流体によって自動的にトルクを変換する装置のことをいう。
その原理は機関によってポンプロータを回転させ、タービン羽根車内に油を流入して駆動側の動力を受動側へ伝えるというものである。
一般に乗用車の変速装置や履帯形トラクタなどに利用されている。略してトルコンとも呼ばれている。
G農機158
トランスミッション
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【トランスミッション】
トランスミッションは、いわゆる変速機であり、クラッチの次にあって、エンジンの動力を目的にあわせた状態で使用するため、回転力や速度をかえる装置である。
具体的には、エンジンの発生する回転力には限度があるため、トラクタのスピードに合わせて回転力を変えたり、後進時に逆回転をさせたり、またエンジンとの連結を断つなどの機能を備えている。
また、構造の違いにより、大別すると歯車式と自動式があるが、どちらのむ方式にもさらに数種類のタイプがある。
G農機159
プロペラシャフト
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【プロペラシャフト】
プロペラシャフトとは、トランスミッションの動力をディファレンシャル装置に伝えるシャフト(軸)のことをいう。
通常、自動車やトラクタにおいては、エンジン・クラッチ・トランスミッションなどが一組となって車体前部に取り付けられ、一方ディファレンシャルなどは車体後部に取り付けられている。
プロペラシャフトは、これらの間に取り付けられ、動力を伝える役目を果たしている。
また、トランスミッションとディファレンシャルの位置関係は、路面からの衝撃などにより前後・上下に移動する。
このため、前後の変化に対しては、プロペラシャフトのスリップジョイントが対応し、上下の角度変化に対しては、ユニバーサルジョイントが対応している。
プロペラシャフトは、強大な回転力によるねじれ曲がりに耐えられるように、空中の引き抜き鋼管を用いている。
また、通常、トランスミッションとディファレンシャルの連結には、プロペラシャフトをユニバーサルジョイントでジョイントしている。
G農機160
自在継手
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【自在継手】
ユニバーサルジョイントは、2本の軸(シャフト)がある角度をなしていて交わる場合でも、自由に動力を伝えることができる継手である。
一般に、十字軸式ジョイントが多く用いられている。
十字軸式ジョイントの構造は、ベアリングを組み付けた十字軸に、左右からそれぞれ二股状のヨークを組み付けたものである。
G農機161
差動装置
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【差動装置】
差動装置(ディファレンシャル装置)は、ファイナルギヤ(最終減速機)とディファレンシャルギヤ(差動機)とからなる。
ファイナルギヤは、動力の向きをその直角方向に変える役目と、最終的に減速して駆動輪の回転力を増加する役目をする。
特にトラクタにおいては、低速で駆動力を大きくするために重要である。
ディファレンシャルギヤは、曲がり道・でこぼこ道・旋回時などに左右両輪の走行距離が異なる場合に、両輪の回転数を自動的に変える装置である。
ファイナルギヤはその構造によって、ウォームギヤ、ストレートベベルギヤ、スパイラルベベルギヤ、ハイポイドギヤなどが用いられているが、大きな減速比が必要な場合は、2段減速にしたものもある。
ディファレンシャルギヤにも同じ様なギヤが用いられているが、簡単に構造を説明すると、左右に同じラックがあり、その中心にピニオンがあり、両方のラックとかみ合っている。
これらが、ハンドルを切ることにより差動し、一方の回転数を上げると同時に他方の回転数を下げている。
G農機162
キャンバ(角)
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【キャンバ(角)】
キャンバ角は、前輪を正面から見た場合に、垂直線に対して前輪の上部が1〜4°上開きになっている角度のことである。
これは、トラクタが車体荷重や路面からの衝撃によって車輪が下開きになるのを防ぐとともに、ハンドル操作を容易にするためである。
G農機163
ステアリング
ギヤボックス
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【ステアリングギヤボックス】
かじ取り装置は、前車輪の方向をかえる装置で、ハンドル、ステアリングギヤボックス、ピットマンアーム、ドラッグリンク、ステアリングアーム、ナックルアーム、タイロッド、車輪の順に力が伝わっていく。
ステアリングギヤボックスは、ウォームギヤと扇形ギヤからなっており、ハンドルから伝達された力は、ウォームギヤから扇形ギヤに伝えられる。
G農機164
ピットマンアーム
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【ピットマンアーム】
かじ取り装置は、前車輪の方向をかえる装置で、ハンドル、ステアリングギヤボックス、ピットマンアーム、ドラッグリンク、ステアリングアーム、ナックルアーム、タイロッド、車輪の順に力が伝わっていく。
ピットマンアームは、ステアリングギヤボックスから伝えられた力をドラッグリンクに伝える部分で、扇形ギヤによって腕が前後に動かされる。
G農機165
ドラッグリンク
(83 KB)
【ドラッグリンク】
かじ取り装置は、前車輪の方向をかえる装置で、ハンドル、ステアリングギヤボックス、ピットマンアーム、ドラッグリンク、ステアリングアーム、ナックルアーム、タイロッド、車輪の順に力が伝わっていく。
ドラッグリンクは、ピットマンアームの動きを受けて、ステアリングアームに伝達する部分である。
G農機166
ナックルアーム
とタイロッド
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【ナックルアームとタイロッド】
かじ取り装置は、前車輪の方向をかえる装置で、ハンドル、ステアリングギヤボックス、ピットマンアーム、ドラッグリンク、ステアリングアーム、ナックルアーム、タイロッド、車輪の順に力が伝わっていく。

[ナックルアーム]
ステアリングアームの動きを受けて、タイロッドにその動きを伝える部分であるが、車軸に平行に取り付けられているタイロッドを支えるため、ステアリングアームが取り付けられていない側にも取り付けられている。

[タイロッド]
左右のキングピンに取り付けられているナックルアームをつないでいるロッドで、前輪車軸と平行に取り付けられている。
ステアリングアームと連結された側のナックルアームの動きにより、両側の車輪の方向をかえる働きをしている。
G農機167
キングピン
(96 KB)
【キングピン】
前車軸と左右の車輪をつないでいる部分で、前車軸が地面に水平に取り付けられているのに対し、キングピンはその左右両端からほぼ垂直に下方へ向けて取り付けられている。 
ほぼ垂直と表現したのは、実際には、走行の安定や直進方向への復元性を考慮して、前後左右にやや傾斜をつけて取り付けられているからである。
G農機168
ホイールとリム
(83 KB)
【ホイールとリム】
車輪はタイヤとホイールから構成されている。
よってホイールは車輪を支える重要な部分で、ハブ・ディスク・リムからなっている。
リムはタイヤを直接支えている部分で、そのリムをドラム状のディスクが支え、さらにディスクの中心にハブがあり、輪軸を支えている。
また、車輪には前輪用と後輪用とがあり、前輪用は、横滑り防止のため円周方向の突起をもち、後輪はけん引力増加のために横方向の突起をもっている。
G農機169
トレッド
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【トレッド】
トレッドとは、タイヤの踏面のことであり、直接地面に接地する面のことである。
一般的には前輪用に横滑り防止の円周方向の突起(リブ)を備え、後輪用にはけん引力を増加させるための横方向の突起(ラグ)を備えている。
また、四輪駆動の場合は、前輪にも横方向の突起(ラグ)を用いる。
通常、タイヤの表面には、耐摩耗性のゴムを使用している。
G農機170
リフトアーム
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【リフトアーム】
乗用トラクタには、作業機装着装置が装備されている。
作業機装着装置には、何種類かのものがあるが、現在そのなかで最もひろく用いられている装置が、三点支持装置である。
そして、その三点支持装置の下部リンクを油圧で上下に移動させるアームがリフトアームである。
三点支持装置を支えている部分で、油圧により、このリフトアームが作動し、支持装置を上下させる。
E農機171
三点支持装置
(73 KB)
【三点支持装置】
乗用トラクタには、作業機装着装置が装備されている。
作業機装着装置には、何種類かのものがあるが、現在そのなかで最もひろく用いられている装置が、三点支持装置である。
上部リンク、下部リンク、リフトアーム、リフトロッド、揺れ止めチェーンなどの各部で構成されており、各種の作業機を装着することができる。
上部リンク1本、下部リンク2本の三点で作業機を支える構造で、上部リンク・下部リンクともに油圧装置につながっている。
そのため、油圧により、作業機の上げ下げなどの調節がしやすく、さらに、各種の自動調節も可能である。

上部リンクには、作業機側フレームのマストの部分を、ヒッチピンで取り付ける。
下部リンクには、作業機側フレームの左右を取り付ける。
下部リンク2本をつないでいるのが、振れ止めチェーンである。
振れ止めチェーンは、作業機を装着していない下部リンクが、トラクタの後輪などに接触するのを防ぐ目的で用いられており、よって作業機装着時には、必要がない。
また、振れ止めスプリングと振れ止めチェーンは、同じ目的のもので、下部リンク2本をつなぐ部分がスプリングかチェーンの違いである。
G農機172
ユニバーサル
ジョイント
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【ユニバーサルジョイント】
乗用トラクタには、作業機装着装置が装備されている。
作業機装着装置には、何種類かのものがあるが、現在そのなかで最もひろく用いられている装置が、三点支持装置である。
この場合、作業機自体を装着するのは、上部リンクと2つの下部リンクであるが、駆動軸であるPTO軸から駆動力を伝えるために、ユニバーサルジョイントをPTO軸に装着する。
ユニバーサルジョイントは、トラクタのPTO軸と作業機側の入力軸をつなぎ、トラクタ側の動力を作業機に伝える役目を果たしている。
スライド式になっているため、作業機に合わせて長さを調節することができるので、この名がついている。


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