トップページ>理事長あいさつ
 昨年12月15日の教育基本法の改正を受けて、学校教育法、教育職員免許法、地方教育行政法が改正され、教育再生会議と中央教育審議会のもとで学習指導要領の改訂が進んでいる。
 先般、文部科学省中央教育審議会教育課程部会の第4期第11回議事録・配付資料が発表され、専門高校における職業教育の現状と課題、改善の方向性(検討素案)が示された。経済のグローバル化や国際競争の激化、産業構造の変化、就業構造の変化、また、「大学全入時代」の到来などにより、我が国の産業社会や企業の専門高校に対する期待や、専門高校の生徒に求める資質・能力、専門高校の生徒の意識や進路もそれぞれ変化してきており、専門高校においては、これらに適切に対応していくことが求められている。
 また、その中に教科横断的な視点が述べられているが、第一は、将来のスペシャリストの育成に必要な専門性の基礎・基本を一層重視し、専門分野に関する基礎的・基本的な知識・技術及び技能の定着を図るとともに、物作りや生産などの体験的学習を通して実践力を育成すること。第二が、将来の地域産業を担う人材の育成という観点から、地域産業や地域社会との連携・交流を通じた実践的教育、外部人材を活用した授業等を充実させ、実践力、コミュニケーション能力、社会への適応能力等の育成を図るとともに、地域産業や地域社会への理解と貢献の意識を深めさせること。第三が、人間性豊かな職業人の育成という観点から、人と接し、自然やものとの関わり、命を守り育てるという職業教育の特長を生かし、職業人として必要な人間性を養うとともに、生命・自然・ものを大切にする心、規範意識、倫理観等を育成することである。
 また、教科「農業」の改善の視点としては、国際化や情報化が進む中、農林業における生産・流通・経営の多様化、技術の高度化や精密化、安全な食料の安定的供給への要請や地球規模での環境保全の必要性の高まり、動植物や地域資源を活用したヒューマンサービスの拡大等に対応し、新たな時代の持続可能な農林業を支える人材等を育成する観点から、科目の新設、関連科目の整理統合、内容の見直しについて検討が行われている。具体的な科目の整理統合では、農業生物の育成と環境の保全、創造について学習を一貫して学習するために、「農業科学基礎」と「環境科学基礎」を整理・統合した「農業と環境」、地球環境における水の循環や生物との関わりを含め、水に関して一体的に学ばせるために、「農業土木設計」の水と土の性質と「農業土木施工」の農業水利を併せた「水循環」、造園環境を構成する材料やその維持・管理のために必要な知識・技術を系統的に学ばせるための「環境緑化材料」の新設などの改善が図られているが、環境学習の重要性がますます大きくなってきていることが伺える。
 これらの視点は、昨年度本協会が作成した「岡山県における農業教育の活性化策(アクションプラン)」「エコロジカル・アグリハイスクール」宣言の中に盛り込まれていることであり、我々の方向性と同じである。
 それぞれの農業関係高校においては、今後、上に紹介してきたような次期学習指導要領の改訂の主旨を踏まえた上で、教育課程の編成や指導計画の作成に取り組むことになるが、自校独自の内容と特色を持った高校づくりを目指すことが重要になってくる。そのためには、それぞれの農業関係高校が独自のテーマを掲げることが求められる。テーマ性のある高校づくりを力強く推進するために、このアクションプランに示された「5つの行動」と「10の具体策」を効果的に活用していただきたい。
© 2004-2009 岡山県高等学校農業教育協会